前回の更新からすっかり時間が経ってしまいましたが、今回はワークショップ通年プログラムで使っている制作手順書のお話です。スタッフでアイデアを出し合って作ったこだわりの手順書は、その名も「ワーク折丁」。ちょっと変わった呼び名ですよね。これまでのブログ でも触れたことがあり、写真にもチラチラと写り込んでいたので、もし気になっていた方がいらしたら嬉しいです。
手順書といっても、内容はあまり親切ではないかもしれません。作り方の大まかな順番と最低限の図だけが描かれています。ワークショップの最中に実際にやって見せたり言葉で説明したりするポイントや注意点などを、図の両側に大きく取った余白に自分で書き込んで完成させていきます。だから、ワークショップが終わる頃には内容はそれぞれ自分仕様の違うものが出来上がります。
使用する紙の情報を書き込むスペースがあるのも特徴かもしれません。これから自分の作品を作っていくにあたり、適した種類や厚みの紙を選ぶというのも大切なポイントですが、初めはなかなか検討がつかないものです。そのため、ワークショップでどこの部分にどんな紙を使うのかを少しずつ覚え、紙に対する意識を高めていって貰うのが狙いです。
実はワークショップの初めに配られる時はA3サイズの両面印刷で、図や文字が逆さになったりしています。本関係のお仕事をされている方ならピンときたのではないでしょうか。そう、A3サイズに印刷したものを折ってペーパーナイフで一部を切り開き、A5サイズの折丁としているのです。だから呼び名も「ワーク折丁」。
折丁の仕組みについて説明する時にも活用できますし、冊子本の最小単位とも言える折丁に親しんでもらう目的もあります。そうして回を追うごとに増えていく折丁を、せっかく覚えた製本方法で製本してオリジナルの手順書を完成させて欲しいという思いもあります。
一回ごとに綴じても良いし、通年プログラムが全て終了してからまとめて一冊にするのもまた綴じがいがありそうです。
いずれにせよ、メンバーそれぞれのバインディングロードで自分だけのガイドブックが出来上がれば良いなと思っています。
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