OTAブックアートのブックラボ 2022 製本ワークショップの企画第二弾は、造本研究と銘打って開催しました。造本とは文字通り本の造りのことです。本の要素をアート作品に昇華させるブックアートにおいて大切な要素の一つであり、作品のテーマを表現するために基本的な本の造りを応用したり、一部にフォーカスしたりすることもあります。
製本ワークショップに参加するブックラボのメンバーも、いろいろな本の造りはもちろん、そこにどんな工夫を凝らしてどんな表現ができるのかを見ることで、作品製作の際のアイデアや可能性の幅を広げられるのではと思い今回の企画をしました。
当日は造本の視点から面白みのある作品を取り揃え、実際に手に取って見てもらいました。まずは各種造本見本でその造りの基本的な特徴を確認したのち、当たり前に思える特徴からどう発展させられそうか想像してもらい、その後で実際に作品を見ていきました。
一見すると構造がわからないものでも、実は基本的な作り方に一工夫加えただけであるなど、本を手に取ることで気付くことも多かったようです。その一方で、むやみに改造するのではなく、製本のルールを踏まえて工夫されていることにも気づいていただけたのではないかと思います。
終わる頃にはアトリエの作業台の上は本だらけ、参加メンバーの頭の中も飽和状態になってしまったようでした。少々盛り込みすぎたかな?研究とは名付けましたが小難しい話はなし、参加者に自由にコメントしてもらうことで、私自身も沢山の刺激を貰えました。そのままお酒でも飲みながら本についてのお喋りを続けたいような気もしましたが、それはまたいつか別の機会にしましょうか。
すでに作りたいものを見つけた方もいるようです。どんなものができるのか、楽しみに待つとしましょう。
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